保育園に通い始めると、「毎週のように風邪をもらってくる」「鼻水がいつまでも続く」と悩む家庭はとても多いです。
これは珍しいことではなく、免疫が発達しきっていない幼児にとって“集団生活は初めてのウイルスとの出会い”の連続だからです。
この記事では、
- なぜ体調不良が増えるのか
- 免疫は何歳までに成熟するのか
- 家庭でできるケアや予防
を分かりやすく解説します。
【ポイントまとめ】
- 体調不良が増えるのは「免疫システムの学習期間」
- 幼児の免疫は5歳頃までに大きく発達し、12歳頃に成人並みへ
- 保育園入園後の体調不良は“避けられないが減らすことはできる”
- 家庭でのケア(睡眠・食事・環境)がとても重要
◆ 保育園で体調不良が増える主な理由
① 集団生活でのウイルス暴露が急増する
保育園は、家庭に比べて圧倒的にウイルスに触れる機会が多くなります。
特に、
- RSV
- 風邪(ライノウイルス)
- アデノウイルス
- 胃腸炎(ノロ・ロタ)
などは毎年繰り返し流行します。
子どもが初めてこれらに触れるため、短期間に感染を繰り返すのは自然な現象です。
◆ 免疫は何歳までに成熟する?
● 生まれた直後〜1歳:免疫の土台を作る時期
- ママからの免疫(移行抗体)の効果が徐々に弱まる
- 自分の免疫がまだ不完全
→ 病気にかかりやすい
● 1〜5歳:免疫を“学習”する重要な時期
- ウイルスに実際に感染しながら抗体を作る
- 幼児期に病気が多いのはこのため
→ 保育園デビュー直後に発熱・鼻水が続くのは正常
● 5〜12歳:免疫が成人に近づく時期
- 小児科でも「風邪の回数が減ってくる」年齢
- アレルギーや喘息などの体質も安定しやすい
| 年齢 | 免疫の状態 | 特徴 |
|---|---|---|
| 0〜1歳 | 免疫が未熟 | 母体からの免疫が減り病気が増える |
| 1〜5歳 | 免疫が急速に発達 | 感染を繰り返しながら抗体を獲得 |
| 5〜12歳 | 成人レベルに近づく | 風邪の頻度が徐々に減る |
◆ 家庭でできる体調管理・予防法
① 睡眠をしっかり確保
幼児の免疫は睡眠で大きく左右されます。
年代別の理想睡眠時間はそれぞれ以下の通りです。
- 1〜2歳:11〜14時間
- 3〜5歳:10〜13時間
とはいっても、現代の共働きではなかなか難しい部分もあると思うので可能な範囲でよいかと思います。無理してバタバタ就寝するよりも”ゆっくりママと寝る”、”就寝前にコミュニケーション(絵本を読む等)を行う”など、子供が安心して寝られる環境を作ってあげることも大切だと思います。
② 食事は「量」より「バランス」
- たんぱく質(肉・魚・卵・納豆)
- ビタミン(野菜、果物)
- 発酵食品(ヨーグルト)
→ 免疫細胞をサポート
無理に食べさせる必要はなく、食べられる範囲でOK。
【注意】サプリや免疫アップ食品に頼りすぎない
子どもの免疫は「睡眠・食事・生活リズム」が基本です。
“免疫を劇的に上げる食品” は存在しないので、焦らず生活習慣を整えることが大切です。
◆ ③ 室内の湿度管理(風邪予防に効果大)
ウイルスは湿度40%以下で活性化します。
→ 理想的な室内の湿度は40〜60%
- 加湿器の使用
- 洗濯物の部屋干し
などが簡単で効果的。
◆ ④ 家庭での過度な除菌は逆効果
免疫は「適度な刺激」で発達します。
手洗いうがいはしっかり行いつつも、外遊びなどで菌やウイルスに触れることで、免疫力を向上させることができます。
アルコール除菌は外出先で手洗いができない場合や感染症が非常に流行しているシーズンに限定するなどシーンを考慮して使うことをお勧めします。
1.菌に触れる機会が減る=免疫力向上の機会を失う
2.皮膚の常在菌(体を守ってくれる元々皮膚にいる菌)まで死滅させる=むしろ免疫力が低下
※免疫力とは話が別だが、単純に代謝機能が未発達である子供に対してアルコール用品の常用は控えた方が良いかと。
◆ まとめ:保育園の体調不良は“成長のプロセス”
保育園に通い始めて体調不良が増えるのは、免疫システムが成長している証拠です。
避けることはできませんが、
- 睡眠
- 食事
- 湿度管理
- 手洗い
といった家庭のケアで、子供の免疫力の成長をサポートし、体調不良の頻度を大きく減らすことは可能です。
「うちの子だけ?」と悩む必要はありません。
ほとんどの子どもが通る道なので、ゆっくり見守ってあげてください。
大人も子供もキツイな時は無理をしない。

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